日本語と英語でネットサーフィン。

日本語や英語でネットをしてるうちに出会ったものを紹介していきます。

哲学

差別を分類する。事実問題とカテゴリー問題。弱者は誰か。

・お誕生日会。片腕しかない障害者に片腕だけを通すTシャツをプレゼントしたとしたら、これは差別になるのか。差別という言葉は強力なわりに使われ方が曖昧で、いろいろな観点がごちゃまぜになっている。差別という言葉が混乱していると、本来は非難すべき…

根拠はなくても仮定がある。日本人が議論できるようになるためには?

・議論において根拠を求めたり、根拠を元に話すということは重要なことだと言われています。しかし根拠は常に必要な訳ではないし、時には根拠を求めることが議論を壊す結果にもなります。たとえば何かを主張する相手にしつこく「その根拠は?」と尋ねること…

『センの正義論―効用と権利の間で』 若松 良樹 (著) 、功利主義の分解

センの正義論―効用と権利の間で(2003/06)若松 良樹商品詳細を見る・『センの正議論』は良い本だと思いました。私たちはいかに正義や善を決めればいいのかという問題について、功利主義や権利論など、様々な立場や方法論があります。この本はセンが他の立場に…

議論の無意味性を説く『不可知論』と『相対主義』の弱点。

(1) 「すべてのカラスは黒い」という命題を立証するためには、すべてのカラスを調べ上げて確かめるか、遺伝子や数学モデルなどから、論理的にカラスは黒くならざるを得ないことを示す必要があります。一方「すべてのカラスが黒い」を否定するための最低条件…

主張とアンチテーゼ:倫理的懐疑主義の区別

・哲学や真理について考える人がまず初めにぶち当たるのが懐疑主義だと思います。ここでは人間の真理を認識できるかどうかについての懐疑主義を対象とします。懐疑主義にはいくつかのバリエーションがあり得ますが、ここでは弱い懐疑主義と強い懐疑主義に分…

哲学における『悪魔の証明』は正当な推論である。

・議論ではよく、「悪魔の証明は不当である」という批判を聞きます。『悪魔の証明』とは、「ある事実が存在しないということが証明されないならば、その事実はあったといえる」という形の推論です。最近の有名な例として、ブッシュ大統領がイラクに大量破壊…

おすすめ哲学書:『哲学の道具箱』 ジュリアン・バッジーニ他 著

哲学の道具箱(2007/02/22)ジュリアン・バッジーニ、ピーター・フォスル 他商品詳細を見る「哲学を学んで何の意味があるのか」哲学について考えたり、哲学的な何かを他人に伝えるときに、よく聞く疑問です。哲学者や哲学が好きな人は2種類に分けられると思い…

マイケル・サンデルの授業についての解釈

[要約:マイケルサンデルの授業はロールズの正義論をはじめから前提としている。メタ倫理的議論を意図的に回避することで初めて、事実からの倫理的原則を考え、互いに議論してひとつの結論に近づくというということが可能となる。したがってサンデルの授業は…