日本語と英語でネットサーフィン。

日本語や英語でネットをしてるうちに出会ったものを紹介していきます。

WiiUの最終目標はカジュアルゲーマーにFPSをプレイさせることである。

・先日日本でもWiiUが発売された。ここまでのところ売り上げは順調みたいだけど、このハード、なにやらいつもの任天堂とは様子が違うように見える。
本体更新をめぐる不手際は別にしても、今回の任天堂はコアゲーの方向に舵を切っているようにも見える。ソフトには『ゾンビU』や『コールオブデューティ』などのコアゲーマー向けのゲームが並ぶが、それよりも何よりもコントローラーを見ると分かる。タッチパネルに加えてこれまでのゲーム機のコントローラーを網羅するようにボタンやスティックが配置されていて、これまでになく複雑になっている。
Wiiでカジュアルゲーマーをゲームに導くことに成功した任天堂が、WiiUで目指すものは本当のところ何なのだろうか。

・そもそもWiiの成功はお母さん層からお年寄りまでのカジュアルゲーマーを引き寄せたことだった。しかしさらにそこから3D、シューティング、FPS音ゲーをプレイさせることには失敗しているマリオギャラクシーはある程度売れたとはいえ、2Dマリオには大きく後塵を拝しているし、『Wiiミュージック』はまさかの大コケ。大ヒットするのは『脳トレ』や『WiiFit』のようなお手軽、体感ゲームばかり。その結果コアゲームとの格差はむしろ広がったかのようにも見える。入り口に入って少しは遊んでもらえたが、本当に楽しいアトラクションには乗らずじまいだったのだ。
しかしこういったお手軽ゲームにはバリエーションの限界がある。どうしても同じようなゲームばかりになり、カジュアル層にも飽きられる。
そこで任天堂なら考えるだろう。どうやったら世のお母さんに最先端のゲームをプレイしてもらえるだろう。

・そこでWiiUである。任天堂WiiUで提案している遊びの一つに『非対称プレイ』がある。非対称、つまり一人がWiiUゲームパッドで遊んでいる間にも、周りの家族はただ単に見ている必要がなく、Wiiリモコンなどを使って一緒にゲームの世界をいじることができる仕組みだ。
実はこれは巧妙に考え込まれた教育ツールとなっている。家族の中に一人でもゲーム好きがいれば(根っからのコアゲーマーでなくてもかまわない。3Dゲームができる女の子が一人いればいい)、娘がゲームパッドでプレイしている間に隣に座っているお母さんがちょこちょこWiiリモコンでお助けをすることができる。これだけでもコアゲームに触れるきっかけを与えるわけだ。そこでちょっとでも興味を持ったなら、ゲームパッドを交代して遊んでもらえれば御の字だ。そうやってちょっとずつ3Dゲームなどのコアゲームの世界に慣れてもらえればいい。

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実は任天堂がコアゲーとカジュアルゲーの橋渡しにチャレンジしたのはこれが最初ではない。3DSの『スーパーマリオ 3Dランド』では、3Dマリオながら2Dのような一本道の構造を導入することで、2Dマリオしか触らなかったユーザーに3Dの教育をしていると見ることができる。
WiiUではその名も『ニンテンドーランド』というゲームを出している。ここまでくれば意図は明確である。ゼルダドンキーコングメトロイドピクミンといった、これまでの任天堂が誇るあらゆるゲームシリーズを、カジュアルゲーマーに触りの部分だけでも体験してもらうのが目的のゲームだ。

こうやって任天堂のコアゲー教育が成功していけば、将来は主婦のお母さんが最もコアなゲームの一つであるFPSをプレイする未来も夢ではないかもしれない。もちろんそのときは任天堂らしく、誰似でも受け入れられるパッケージとして発売されるだろう。